ラピュタ・才谷社長は都労委命令を守れ!

ラピュタ争議、都労委救済命令に関する声明

 本年4月15日、東京都労働委員会は映演労連と映演労連フリーユニオン・ラピュタ支部が申し立てていた不当労働行為の救済について、組合主張を概ね認めたうえで、会社の不当労働行為を認定し、救済命令を公布しました。救済命令の主な内容は、「組合の誹謗中傷・組合脱退の強要・組合への勧誘妨害など支配介入を行わないこと」「組合の団体交渉には誠実に応じること」の2点です。

 この争議は、日本映画の旧作名作を上映するラピュタ阿佐ヶ谷で起きた事件です。06年に社長が女性従業員に暴力を振るったことを発端として結成された労働組合でしたが、その後、ラピュタ社長(川邉龍雄、自称:才谷遼)は組合を嫌って、団体交渉の拒否だけでなく、「組合抜けるか、会社を辞めるかどっちだ」などの組合脱退強要や、組合に対する「会社を乗っ取るつもりか」「薄汚い連中」との誹謗中傷、そして組合員に対する夏季一時金の不支給など、数々の嫌がらせを行ってきました。このため、組合は一連の不当労働行為について08年4月に都労委に救済を申し立てていたものです。

 都労委は、社長の数々の言動が組合活動を非難する内容で一貫しており、到底「売り言葉に買い言葉の応酬」との評価はできないこと、社長の言動が組合員に多大な不快感を与えるなど不利益取り扱いに当たると同時に、組合運営への支配介入に当たること、そして正当な理由のない団体交渉の拒否にあたること、と組合主張をほぼ全面的に認めました。さらには、認定された事実に基づき「今後、このような行為を繰り返さない」旨の文書を組合宛に交付するとともに、社内に掲示するよう命令しました。

 なお、夏季一時金の不支給に関しては、賞与に関する明確な基準や慣例がなかったことから不利益取り扱いとまでは認められませんでしたが、社長が組合を嫌悪した結果による不支給との疑いは残る、と指摘しています。

 私たちは、本都労委命令はラピュタ社長による不当労働行為性を真正面から断罪したものとして、高く評価できるものと考えます。また、命令交付に至るまでご支援いただいた労働組合など多くの皆さまに感謝申し上げる次第です。

 しかしながら、本命令の交付に先立ち、ラピュタ支部委員長が本年1月16日付で不当解雇されており、いまなお撤回されない状況から、争議解決の目途は依然として立っていません。支部委員長の解雇が、認定された不当労働行為の延長線上にあることは、火を見るよりも明らかです。私たちは、ラピュタ社長が本都労委命令を真摯に受け止め、誠実に履行するとともに、その反省に立って支部委員長の解雇を直ちに撤回するよう求めます。

 私たちは、一日も早いラピュタ争議の全面的な解決を目指して、本都労委命令を励みになお一層奮闘する決意です。

2010年4月21日
ラピュタ闘争支援共闘会議
議長 小林 寛志
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