映演労連第66回定期大会

映演労連第66回定期大会報告

 10月19日(木)、映演労連は東京・文京シビックセンター5階AB会議室にて第66回定期大会を開催しました。当日は交通機関の乱れもありましたが大会は定刻に始まり、来賓の全労連・長尾ゆり副議長からの連帯挨拶の後、「安倍改憲、それは9条の破壊、戦争への道。安倍9条改憲を阻止するために全力を挙げて闘おう!」「言論表現の自由と映演文化を守るために闘おう!」「組織力、要求実現力を高めて、映演労働者の雇用と権利を守り、生活向上をめざそう!」のスローガンの下、活発な議論を展開しました。

 午後には来賓のMIC・小林基秀議長からも連帯挨拶を頂き、「情勢報告」や「運動方針案」提案後の会場討論では、結成間もないA労組のみなさんの決意表明の他、各単組の代議員から産業・企業の厳しい実態や、安倍9条改憲阻止に向けた取り組み、組織の強化・拡大の取り組みなどが語られました。

 その上で大会は第66期の動方針を採決し、新執行体制を確立しました。続いて大会は「安倍懐憲を許さない特別決議」「大会宣言」を採択し、成功裏に終了しました。

 映演労連は既に17秋闘方針を確立し18春闘準備も含めた秋年末の闘いを開始しています。映演産業に働く仲間が結集する労働組合として、憲法改悪を阻止し、平和と民主主義を守り、個人の尊厳を取り戻し、労働法制大改悪を許さず、生活と権利を守りぬく闘いに全力を尽くしましょう!

 なお、第66回定期大会には民放労連、音楽ユニオン、全国福祉保育労働組合、日本共産党などから暖かい激励のメッセージが寄せられました。


第66期・主な映演労連役員
中央執行委員長
金丸 研治(松竹労組)
中央副執行委員長
飯野 高司 (日活労組)
田口 仁(全東映労連)
南雲 真由美 (角川映画労組)
鈴木 龍男 (舞芸・前進座)
書記長
梯 俊明 (松竹労組)
書記次長
高貫 博子 (松竹労組)
深澤 英之 (フリーユニオン)

大会宣言

 アメリカではトランプ政権が成立し、ヨーロッパでも極右勢力が台頭するなど、世界各国で右傾化が進んでいる。日本でも安倍政権の民主主義・立憲主義を踏みにじる暴走が一層加速している。憲法をまもらず、戦後70余年もの間築きあげてきた平和国家で「戦争法」を成立させ日本を「戦争する国」に改悪させた。次に「共謀罪」をも成立させ、人々の内心や思想・信条までをも捜査対象とする強権政治を執っている。それらを成立させるためにいくらでも嘘を吐き、充分な議論もしないまま法案を成立させ、一方では森友・加計疑惑に現われるような、自分のお友達には幾らでも国有地を値引きし横流しさせ、それらについてもまったく説明責任を果たさないなど、やりたい放題の完全なる独裁政治である。

 権力は暴走する。われわれは過去の歴史から学び、二度と過ちを繰り返さないと誓った土台があるからこそ、現在の繁栄があるのだ。しかしそれを踏みにじり「美しい国」という美辞麗句のもと、今まで積み上げてきたさまざまな価値感が、安倍政権に破壊され尽くされている。「ウルトラ右翼」と化し、戦争の危機を煽る安倍政権は必ず打倒されなければならない。そして民主主義を再びわれわれの元に取り戻すため、野党共闘を中心とした闘いを何が何でも成就させなければならない。2年前の9月19日の深夜、自分たちではどうする事もできないながら国会での安保法制法案の成立を見て、落胆し涙を流した人。それでも国会前で反対の声を上げ続けた人たちのこと。あの時の悔しさを皆で思い出して欲しい。無念を晴らすためにも、倒閣の為の市民運動を結実させなくてはならない。

 本日、われわれ映演労連は第66回定期大会を開催し、一年間の闘いを総括し、大会に結集した仲間たちで活発な討論を行った。誰もが安心して生活できるための人間らしい当然の権利を謳い、映演産業の発展はもとより、言論・表現の自由を守るための闘い、労働法制改悪の断固阻止、憲法9条改悪反対、原発ゼロと再稼働反対、安倍政権の数々の疑惑解明など、社会情勢にも踏み込む議論も行なった。そして平和と民主主義を取り戻し、平和憲法を護り、格差と貧困をなくすために、映演労連のさらなる組織力、要求実現力を高めるような運動を目指そう。

 さらに全労連やMIC、地域共闘とも連帯し、あらゆる思いを共有できる仲間とともに、これからもさらに闘い抜くことを、ここに宣言する。
2017年10月19日
映画演劇労働組合連合会 第66回定期大会

安倍壊憲を許さない特別決議

 日本国憲法施行70年を迎えた今年5月3日、安倍晋三首相は、改憲派民間団体の会合におけるビデオメッセージと読売新聞紙上で、「憲法9条1項2項はそのままにした上で新たに3項を加えて自衛隊の存在を明記する」、「高等教育の無償化についても改憲したい」と主張し、「東京オリンピック開催の2020年に新憲法施行をめざす」と改憲日程にまで言及した。

 2012年12月の政権交代後、2013年12月の「特定秘密保護法」成立強行、2014年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定、2015年9月「戦争法」成立強行、2017年6月「共謀罪法」成立強行と、議会制民主主義と立憲主義を踏みにじって憲法違反の法律を強行成立させてきた安倍政権による、戦争する国づくりの総仕上げとしての9条明文改憲着手宣言に他ならない。

 3項自衛隊明記の発案は極右団体日本会議によるものであり、関連機関紙には「自衛隊を明記した第3項を加えて2項を空文化させるべき」とその狙いがあからさまに語られている。「後法は前法を廃する」という法原則に照らしても、9条2項が相矛盾する3項によって廃止同然に空文化=死文化されることは明らかである。

 3項加憲は自衛隊の現状追認などでは全くない。戦力不保持、交戦権否認を規定した9条2項の統制下、辛うじて専守防衛の自衛力としてあった自衛隊を、集団的自衛権を認める戦争法を背負った存在として明記し、海外で無制限に武力行使できる軍隊へと完全に変質させる壊憲に他ならない。

 安倍首相は9月28日に召集された臨時国会冒頭、所信表明も行わず解散理由も説明せず、憲法第53条にも違反して疑惑追及をかわすためだけに衆議院を解散した。10月10日には第48回衆議院議員総選挙が公示されたが、自民党は政権公約に初めて改憲を盛り込み、「原案を国会で提案・発議し、国民投票を行い、初めての憲法改正をめざす」と強調し、改憲項目として「自衛隊の明記」「教育の無償化・充実強化」「緊急事態対応」「参院の合区解消」の4つを示している。公明、維新、希望など改憲諸党にも配慮し、連携して3分の2議席を確保した上で一気に改憲スケジュールを進めようとする姿勢が明白である。また9条改憲とセットで盛り込まれている「緊急事態条項」は戦時を第一に想定した「戒厳令」であり、ナチス台頭を許した「全権委任法」そのものである。

 安倍壊憲は戦後日本を支えてきた平和主義の理念を根底から覆す蛮行であり断じて許すわけにはいかない。

 私たち映演労連は平和と民主主義、個人の尊厳を取り戻すため、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の提起する3000万署名に全力を挙げて取り組み、9条改憲をはじめとする、戦争する国づくりを断固阻止することを決議する。

以上
2017年10月19日
映画演劇労働組合連合会 第66回定期大会


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